青城SS | ナノ
「貴大、クリスマスのご予定は?」
「あー? 部活だ部活」
「でもその後にバレー部でクリスマス会的なことするんじゃないの?」
「男だらけのな」
「それって私も参加できないの?」
「……なんで」
「私ひとりってのが問題なら友達誘って、女子数名参加する! 可能でしょうか」
「不可能です」
「なんでよ」
「お前さー、あわよくば岩泉とお近づきになりたーいって思ってんだろ」
「それしか考えてないけど」
「やめて、マジで」
「なんでよ。貴大がサクッと紹介してくれないのが悪いんじゃん」
「ナマエ、想像してみろよ」
「なにを?」
「お前、兄貴いるじゃん?」
「いるねぇ」
「兄貴が自分と仲のいい友達と付き合ったらイヤじゃね?」
「あぁー。それはイヤ」
「だろ? 諦めて下さい」
「あーもう。使えない幼馴染みだなぁ」
「言い方悪すぎるだろ」
「いいよもう、頼まないし。クリスマスはマミちゃんたちと遊ぼ」
「おーそうしろそうしろ。……いや、ちょいまて」
「今度はなに? 気が変わった?」
「マミちゃんて、同中の川島マミ?」
「そうだよ。同中でおまけに青城のマミちゃんだよ」
「俺と同じクラスの?」
「そこまでは知らない。私、青城じゃないし」
「川島クリスマスに西高の男と合コンするって言ってたけど?」
「合コンって大袈裟な。恋人いない人集めてカラオケとかボーリングとかするって言ってたよ」
「いや、それ合コンだから。マジモンの合コンだから」
「なにそれ。逆に偽物の合コンなんてあるの?」
「そりゃ、合コンという名のエーくんとビー子ちゃんをくっつけることだけを目的とした茶番会」
「私的因縁を感じる言い方だなぁ」
「合コンはやめとけ。今度カラオケもボーリングも付き合ってやるから、クリスマスは大人しく家でテレビでも見ておけ」
「なんで! つまんな! イヤだよ」
「ナマエ、想像してみろ?」
「なんなのこのくだり」
「兄貴が合コンで知り合った女と付き合ったらイヤじゃね?」
「……別に。どうでもいい」
「……俺は姉貴はいいけど、妹がそうだったらイヤだ」
「……そう。私、貴大の妹ポジション?」
「妹なんてひとりで充分だわ」
「私も兄貴はひとりで間に合ってます」
「とにかく合コンはやめとけ」
「なら貴大もクリスマスは家で大人しくテレビね」
「はぁ? なんでだよ」
「不公平じゃん。なんで私だけアレコレ言われなきゃいけないの? 理不尽! 理不尽大魔王!」
「理不尽大魔王ってなんだ。……あぁ、わかった。バレー部クリスマス会に参加することを許可します」
「本当? いえーい!」
「ただし、お前ひとりな。何人も来たらややこしいことなりそーだし」
「はーい」
「あと岩泉に接近禁止」
「貴大って私のこと好きだよねぇ」
「うわ、めっちゃ悪寒」
「あら不思議。バカは風邪引かないのにね」

岩泉くんに花巻の彼女って呼ばれた。最悪。

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